使いたいのに意外と見つからない!オーケストラタム(ConcertTom)の音を自作してみる【音作り】
バトル系の劇伴(映画・アニメなどのBGM)を聴いていると、盛り上がるところで必ずといっていい程使われている音がありますね。
ホルンと並んでその使用率が高いのがコンサートタムと呼ばれるタムです。一度は聴いたことがあるでしょう。小さい音から一気に大きくドコドコドコドコドン!と盛り上げるあのパーカッションです。
誰もが出してみたいあの音、意外と有名なバンドルには収録されていなかったり、なかなか使いづらい音源だったりする場合が多くあります。 そこで、フリーでも代用ができ、割と誰でも持っているような音源であの音を使いやすく再現してみたいと思います。
打ち込み方
今回再現にあたって利用するのはKONTAKTに数多く収録されている音源の中の「StudioDrummer」というドラムキットです。ドラムとして使うなら、まあ無難な音源と言えるでしょう。しかし今回はドラムとしてでなく、タムの部分を利用します。
まず、使いたい音形を決めます。今回は映画音楽の中でありそうな音形を用意しました。「ダーンダーンダーンダーンダンダン」というよく耳にするアレです。
ザックリと音形が打ち込めたら、これをハイタム、ミッドタム、ロータム、フロアタムにコピーします。この時点で4つ分のタムが出来上がりました。
この4つのタムのうち、3つを少しずつズラします。これをすることによって少しバラつきが生まれ、生っぽい感じに仕上げることができるのです。
余談ですが、バラつきを簡単に出す機能として、Protoolsではランダマイズ(恐らく他のDAWも同じ名前)、StudioOneではヒューマナイズという機能が備わっています。これを利用するとStudioOneではベロシティまで細かくランダムに生成してくれるので、タムに限らず特に打ち込みのピアノなどの生感を重視する場合に役立ちます。この場合はベロシティでなく、前後にずらす意味合いで使います。
盛り上げのドコドコはこの様に打ち込みました。5連符を利用して打ち込むと自然な仕上がりになりました。
音源の設定
それが終わったら音源の設定に戻ります。今までは一つの音源で鳴らしていましたが、映画音楽の場合は騒がしさを出したいので、KONTAKTの中に、StudioDrummerの別々の音源を3つ全て立ち上げ、同じパートで3つ全てが鳴るように設定します。
Midi ChをPortAの1に設定するとそのままのトラックに出力されます。
この時点で総計12個のタム(!)が同時になっていることになります。
フリー音源で、マルチティンバー音源のように一つの出口にまとめられない場合は、止む終えないですが、トラック単位でバラして利用しましょう。
パンはL/C/Rに降ることで広がり感と迫力が出ます。
完成音源
これが設定できて完成です。迫力と詰まり感も出て、かなりそれっぽく鳴らせていると思います。オケに馴染ませるとなかなかいい味を出してくれます。
普通、オーケストラタムの音源はすでにリバーブが入っているのですが、ドラムの音源を利用するとかなりドライなタムを利用できるので、どんなジャンルでも対応することができるのが利点です。
有償音源を使いたい
この方法で我慢できなくなった場合は、有料音源を買いましょう。
UVI Orchestral Suiteが恐らく一番安くて一番使えるオーケストラの音源です。